日本人間行動進化学会第12回大会 若手発表賞 受賞者からの声

若手口頭発表賞: 中田星矢「階層構造の創発における文化伝達の役割:繰り返し学習を用いた実験的検討」

この度は若手発表賞にお選びいただき、誠にありがとございます。

本研究の出発点では言語の進化を考えていましたが、文化進化研究者の一人として、言語のみに限らない文化一般の進化を捉えるような実験を行いました。その結果、人間の様々な文化に対する示唆を与えられたことが、今回評価していただけたポイントの一つではないかと思います。

今回の受賞に慢心せず、今後も良い研究をできるよう努めてまいります。

最後に、共同研究者である森さんと竹澤先生、本研究の実験実施を手伝ってくださった北大の学生の皆様、これまで我々の研究に貴重なご意見をくださったすべての方々にも感謝申し上げます。


若手ポスター発表賞: 河村悠太「評判手がかりは評判関連語への反応を促進するか」

この度は名誉ある賞を賜り,大変光栄に存じます。ご多忙の中ご選考くださった先生方,ご意見くださった皆様に深く感謝申し上げます。

目の画像や目に似た模様など,評判を意識させうる手がかりが向社会的行動に与える影響は学術的・社会的に注目されてきました。一方その現象の再現性がないことも知られて久しく,近年では再現性のなさを踏まえた調整要因の検討やメタ分析等が行われていますが,依然一貫した結論は出ていません。従来の研究が行ってきたように,実際の利得に関わる行動への影響を調べることはもちろん重要ですが,そのような指標には交絡要因も多く,一貫した結果が出ていないことも考慮すると,認知的プロセスを明らかにするための検討も必要であろうと思っています。今回報告したのは,このような問題意識のもと行った研究になります。明確な結論には至っていませんがその試みの一端が評価されたことは大変うれしく,励みになります。

最後になりましたが,素晴らしい大会を運営してくださった関係者の皆様に心より感謝いたします。


若手ポスター発表賞: 黒田起吏「Speed–accuracy tradeoff状況における社会情報処理の認知過程」

このたびは若手発表賞を賜り、大変光栄に存じます。大会運営委員の方々、HBES-Jの皆様、共同発表者の先生方に、心より感謝申し上げます。

この原稿を書いている2019年12月9日(学会の翌日)から、新しいプロジェクトの実験を始めました。この実験の結果につきましても、またHBES-Jで発表し、皆様と議論したいと考えております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。